今年、市内で行われている明治維新版お宝展の共通テーマは「維新三傑」。
当館では、三人の事歴を紹介したパネルを展示して、あらためて知っていただく機会を設けています。
ことに薩摩藩の西郷隆盛や大久保利通については、長州の方々が知る機会は少ないと思いますので、ぜひこの機会にさまざまなことを知って頂ければとおもいます。
そして床の間には、西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允の三人の書を展示しています(アクリル板で保護しています)。
いずれも松田屋ホテルよりお借りした貴重な掛け軸です。
木戸孝允のは七言絶句の漢詩が書かれています。
西郷隆盛のは桂四郎宛の手紙で、漢詩が含まれています。
大久保利通のは、長州藩の品川弥二郎に宛てた手紙です。
また、木戸孝允が坂本龍馬へ武力討幕(または政治クーデター)を呼びかけた手紙の写しを展示しています(山口市小郡文化資料館所蔵)。
これは慶応3年9月4日、王政復古の大号令の約50日前のもので、曰く、「狂言」(王政復古の政変)が食い違っては「芝居」は失敗してしまうので、少しでも役に立ちそうなものは仲間に引き込む工夫が必要である。「西吉座元」(西郷隆盛)や「乾頭取」(板垣退助)が絶えず連絡を取り合いながら協力してことを運ばないと、最後の「大舞台」(幕府との武力決戦)は崩れて「芝居」は失敗してしまう。だから。龍馬殿も四方八方に目を配りながら頑張ってほしい、とあります。
この手紙の原本は不明です。木戸自筆ではありませんが、貴重な内容を書き写したものです。